インターネットにおける動画プロモーションで抑えておきたい要点。
公開:2009年11月24日 00:46, 更新:2009年11月24日 12:43

動画サイトの隆盛や手軽に撮影できるカメラの普及によって、動画による表現やPRが個人・企業を問わず広まっています。ただ漠然と撮影してアップロードして大した反応を得られないどころか不評を買って失敗してしまう、なんてことにならないために、インターネット上で動画プロモーションをするための要点を前もって理解しておきましょう。
ウェブにおける動画の注意すべき特性
あらためて強調するまでもなく、時間は有限であり、特に先進国における時間の価値は「時間管理術」というだけで本が書かれて売れちゃうくらい大きな要素です。そして時間という視点から言うと、動画というメディアはユーザーを一方的に一定時間拘束します。
ウェブ上で閲覧する動画については、一時停止・早送りなど「拘束されないための柔軟な選択肢」が基本的に備わっていますが、目当ての情報を入手し終えるまでには、テキストや画像といった他の手段に比べてより多くの時間を要します。
さらに、インターネットとテレビの視聴者とでは大きく違う点があります。インターネットの視聴者の方がとってもせっかちだということです。お目当ての動画を自ら積極的に探しているため、見つけた動画が少しでも時間の無駄だと感じれば即停止。「この人の動画は駄目」と烙印を押して、さっさと他の動画を求めて去ってしまうのです。動画視聴者側として、あなたにもそんな経験があるのではないでしょうか?
駄目な動画は駄目な分だけ大きな失望を生む
駄目な動画は、視聴者にうんざりした気分を与えるだけでは済みません。
例えば動画PR担当者もしくはチームが、とある商品Aをプロモーションするとします。10分の動画に、10の伝えたい内容を入れたい。しかし、事前に商品Aについて伝えたい事項や、それらが伝わりやすい表現方法などを一切考えず、「こういうのはやる気と雰囲気でしょ!」と言わんばかりに、勢いとテンションだけで動画を作って自信満々に公開したとします。
制作者大満足、けど伝えたい10の事のうち1しか閲覧者に伝わらないような動画。この動画は視聴者に対して、10-1=9の無駄なコンテンツを浴びせてしまいます。そして9の時間分が、視聴者の期待を裏切るうえに大きな時間の損失を与えてしまいます。
無駄、徒労、損失を感じた視聴者は、動画そのものだけにとどまらず、動画の提供者に対する評価を著しく下げてしまいます。PRの大失敗です。「大」とつけたのは誇張でも何でもなく、動画は視聴者に与えるインパクトが余りに強いため「大失敗」となり得るのです。その駄目っぷりは、記憶に焼き付く事でしょう。
失敗しないPR動画作りのために
ウェブにおける動画の特性を考慮し、動画PRをするにあたって必ず注意すべきことは何でしょう?挙げればきりがないでしょうが、特に抑えておきたい大項目は、
- 動画で視聴者に確実に伝えたい内容
- 内容の伝え方・演出方法
- ユーザビリティ(利用者にとっての利便性)
この3点です。言葉にしてみれば凄く当たり前、普通ですね。しかしインターネットの場合、僕もそうですが、作り手の多くが映像のプロではなく素人です。自分好みの動画を作る作業に夢中になり満足してしまい、視聴者への配慮という当然の事にすら配慮できない動画が作られてしまうことが多々あるのです。
<!--無駄話スタートーー>
プロが携わり高い制作料のかかっているテレビCMですら「で、これ何が言いたいの?」とか、「これ何のCMだっけ?」といった制作者満足に終わっているものがあり、時々呆れさせてくれます。他にも「デザイナー○○が作った」といった「これデザイナー以外に誰が満足してるの?」と言いたくなる作品や製品なんか見た日には「なんと言う無駄遣いをっ!」と・・・(ぶつぶつ・・・)。
<!--無駄話ここまでーー>
さて、先ほどの三項目を少し説明しましょう。
動画で視聴者に確実に伝えたい内容
何について、何を伝えたいか。例えばパン屋なら、パンについて、何にこだわっていてどう美味しいのか。バッグ屋なら、バッグについて、どこがお洒落でどんなファッションに合うのか。Webサービス業者なら、提供サービスについて、何が便利でどんな利用価値を与えられるのか。こういった「伝えたい事」が明確になっていないと、ただ淡々と対象物が映っているだけの無駄動画が出来上がります。
内容の伝え方・演出方法
パン屋の場合、単にパンをくるくる回転させて映すだけでは何の感動もありません。どうせなら、生地をこねて窯で焼き、釜から出し、焼きたてのパンを割って、おいしそうに食べるところまでを全部見せる。伝わる臨場感を演出します。テレビでよくありますよね、湯気が出ていたり肉がジュージュー言ってててリポーターが美味しそうに食べるシーンとか。対象物の特徴やメリットを最大限かつリアルに伝える演出が必要です。そして時間や間のとりかた。中だるみを防ぐという意味でも、演出要素にすらならないような部分はきっちり削っておきましょう。
ユーザビリティ
動画にユーザビリティ?と思う方は多いでしょう。ここがテレビと違います。インターネット利用者は、動画の再生操作や保存、ブックマークといった、積極的な管理操作ができます。「自由に出来る」というスタンスで動画と向き合っています。それゆえに、いかにユーザーにとって扱いやすい形で動画を提供できるかというのは、意外と見落とせない要素なのです。
またインターネット上であれば、動画だけでは伝え切れない情報を、文字や画像での捕捉説明が簡単に可能です。動画でリアルなイメージを、文字や画像で細かいうんちくをアピールを伝えるといった役割分担も良いですね。
現在のインターネットにおける動画視聴環境を考えれば、例えばこんな感じにすると良いかもしれません。
- 視聴者が使い勝手で悩まないよう、誰もがよく使うYouTubeやニコニコ動画に動画をアップロードし、簡単に再生、お気に入りに追加、保存などができるようにする。動画をシリーズ化できるのであれば、あらかじめ再生リストを作成したり、自サイトに一覧を作っておく。
- 動画サイトにアップロードして直接動画サイトへ利用者を誘導するだけではなく、状況に応じて、自サイトに動画を貼り付け、動画で伝えきれない点について文字や画像を使い動画の前後で補足情報を入れる。
インターネットの利用者にとって最適な形、かつ十分な情報量と手段をもって、動画を提供しましょう。
今後の動画PRのために
動画の持つ力、視聴者への影響力は、テキスト・音声・静止画像に比べて非常に大きいです。また、ハードとソフトの両面で、動画の作成や公開といった作業の技術的ハードルが下がり続けており、動画PRという手法は今後、インターネットにおける広報・広告・販促の手段として一段と普及するでしょう。
最後に、動画PRの勉強になる参考リンクをまとめておきます。
- webdog ジェット☆ダイスケのウェブログ
- 動画ブロガー、ジェット☆ダイスケさんのブログ。学生時代から映像制作に携わり、職業がビデオ・ブロガーという根っからのウェブ動画人間。インターネット動画に最適化された潔い編集が特徴。ガジェットを紹介する動画が多いのですが、素人にありがちな「中だるみ」が全く無く、癖になりそうな軽快なテンポで動画が展開します。ブログにおいては、貼り付けてある動画とその前後の文字情報の役割分担がしっかりしていて(動画=臨場感と使用感のみ / テキスト=動画に入れると中だるみになりそうな補足説明)、ウェブ動画として理想的なお手本です。
- YouTubeチャンネル
- Twitterアカウント
- 「Web動画はいきなりクライマックスでいい/ジェット☆ダイスケさんのブログ論」(Web担当者フォーラム)
- Amazon「インターネット動画」に関する書籍 [人気順]
- YouTube、ニコニコ動画、ウェブ動画マーケティングなど。
- Amazon「ビデオ編集」に関する書籍 [人気順]
- パソコンを使ったビデオ編集の入門、映像編集ソフト"Adobe Premiere"の入門など。
- Amazon「映像制作」に関する書籍 [人気順]
- よりプロフェッショナルな映像制作に関する知識など。
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